寄 稿

 【佐藤弘さん/高砂市在住】
佐藤弘さん
  慢性腎臓病になって多くのことを学んでいます
私と井野病院との出会いは、昭和63年、定年を迎え大塩に居を構えた頃、胃の調子が良くないので診察を受けた事が始まりでした。胃炎・胆石などの診断を受けましたが、いずれも大事に至らず良い方向で落ち着いていました。

その後、腎臓病が発覚し治療が始まりました。調子が悪い時は体の方から何かしら発信してくれましたが、腎臓病だけは自覚症状がないので見逃す事が多いのではないでしょうか。

慢性腎不全を悪くしないためには、食事療法を続けていく事が基本であり、何より大切です。平成134月に尿たんぱくが4プラスとなったため、たんぱく質の多いきな粉・スキムミルクをやめ、同時に、塩分を減らすため減塩味噌や減塩しょうゆを使うようにしました。すると尿たんぱくは2プラスへと改善しました。

院長先生から、エネルギー1800Kcal 、たんぱく質45g(現在は35g)、塩分6g以下という食事の指示をもらい、栄養士さんから栄養指導を受けました。そこで『食品は計量する事が大切である』という事を学び、毎日の食事記録を開始しました。昼食がすんだら、ノートに朝食と昼食の献立を書き、食品交換表を使ってエネルギーとたんぱく質の栄養価計算をして記録していきます。1日に必要な栄養量は夕食の献立で調整します。これが日課となり、今年で7年になりました。難しいのはカロリー摂取です。たんぱく質は適量摂取できますが、問題はカロリーです。カロリーが不足しないように、粉飴(でんぷんの砂糖)を1週間で1s使っています。 

我が家では、基本的には家内と同じ食事を食べていますが、嗜好の違いがあり困る事もあります。しかし、食事は別々ではいけない(別居生活状態になってしまいます)と考えていますので、自分も家内も満足を抑え、お互いに歩み寄り、どう食事をしていくか考えつくしました。私の腎機能は、食事療法を継続しているお陰で、年月が経った今もクレアチニンの数値に大きな変化はありません。

また、井野病院で開催されている慢性腎臓病教室(毎月第4月曜日に開催)に参加するようになって3年余り、多くの事を学び、様々な事を感じました。片山先生から医学の分野を教えていただき、この病気がどんな病気かを自覚すると共に、自分でやれる事はやってみる事が大事だという事を感じています。そして、教室に積極的に出席して、参加者と情報交換をし、1人で悩まずざっくばらんに相談して、食事療法の話を聞き、食事を実際に食べて勉強する事。その中から自分の形を作り、腎臓を長持ちさせるよう努力する事が必要だと思います。

慢性腎不全の療養生活を行っていて、今私が思う事は、家族の理解と協力、優しさ、思いやり、病気に対する忍耐が大事だという事です。

そして、私は私なりに家内の日常生活の労務の一部でも肩代わりできればと思い、努力しています。その他にも現在大変お世話になっている方々にも何らかの形でご恩返しができないかと思案中です。

佐藤さんの記録表

佐藤さん自筆の食事記録表
  エネルギー・たんぱく質の摂取量(動物性たんぱく質の割合)記録表


「記録したりグラフにしたりする事で、分析や反省ができます。」(佐藤さん談)

  「早期治療」が将来の幸福を失わない方法です!
主治医の院長先生から、血液検査項目のクレアチニン値が3.0以上にならないようにと食事療法の指示を受け、現在に至っています。クレアチニンの推移はバラツキはありますが、2.5前後で横ばいといえる結果が出ています。それは、先述のような日々の努力があるからだと思っています。
私が慢性腎臓病の治療に大きな関心を寄せ、努力をしているのは、次に述べる経験が大きく関与しているのです。

会社を定年退職した後のある日、後任者の訪問を受けた際、次のような驚くべき内容の話を聞きました。

後任者が養成した若い部下が独り立ちして業務を行っていたのですが、体調不良になり、近くの病院で腎不全の診断を受けたそうです。その場で『即透析治療』の指示を受け、治療をしながら仕事を続けることになったそうです。が、その後、不幸にして、新婚の夫人を残して他界したというのです。
現役で会社に勤務されている方々は、治療と仕事の両立は大変厳しい現実であり、特に、家族の理解と協力、本人の努力は欠かすことができません。

今、私が言いたい事は、もし、あなたの尿にたんぱくが出ているなら、早急に医師の診断を受け、指示に従い、早期治療に取り組んでいただきたい。また、ご家族や親戚、友達の中でそのような方がおられるならば、そのように強く伝えていただきたい、ということです。早期治療が、将来の幸福を失わない方法であるからです。

幸い、井野病院では慢性腎臓病教室が毎月開催されています。講師の片山先生からは腎臓の働きが阻害される経緯から、他の臓器に与える影響を含め、学会の情報、文献の紹介等の他、季節の変化の時の体調管理など、我々の目線での説明がなされています。
また、栄養指導では食事治療の基本である食品の計量、食品の選択、調理方法の実習の他、診断結果に基づく個人指導を管理栄養士の先生から受けることができます。
一人で悩むことなく、このような教室や指導に参加し、相談しながら理解を深めていこうではありませんか!!
ご本人とご家族の幸福のために!!
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