爪水虫とは
爪水虫は、足の水虫と同じように、白癬菌というカビが原因で起こります。多くは足の水虫を治療せずに放置したために白癬菌が足の皮膚から爪の中に移りすんだために起きています。
痛くもかゆくもないため放っておかれることが多いのですが、からだの他の場所や家族などにうつしてしまう可能性があるため、自分だけでなく家族全員で予防と治療をすることが大切です。
爪水虫のセルフチェック
以下に該当するものがあれば爪水虫の可能性があります。爪水虫は見た目では判断できませんので自己判断せずに医師の診察を受けましょう。
□ 爪が白色や黄色に濁っている
□ 爪が分厚くなったり、ボロボロと欠けたりする
□ 足水虫がある
□ 家族に水虫の人がいる
□ 日中は靴をはいていることが多い
□ 靴をはくと押されて爪の部分が痛い
罹患率
爪水虫は爪の病気の中で最も多くみられるものです。ある統計では、日本人の5人に1人が足白癬(水虫)、10人に1人が爪水虫にかかっているという結果が出ています。特に60才以上では約40%(5人に2人)が爪水虫といわれています。
白癬菌の寄生
白癬菌は、足や爪だけに寄生するものではありません。全身の皮膚や爪、髪の毛に寄生して症状を起こしてしまいます。
爪白癬をきちんと治療することは、こういった他の場所に起こる白癬を予防する意味でも大切です。
爪水虫の診断
爪の病気には、爪水虫と似ていて、間違えやすい病気がたくさんあります。医療機関でしっかりと検査を行い、原因を調べることが重要です。
医療機関での診断の流れ
爪の採取 ニッパー型爪切りなどで、菌がたくさんいる部位から爪を採取します。
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白癬菌の確認 採取した爪を顕微鏡で観察し、白癬菌がいるかどうか調べます。
間違えやすい病気
・カンジダ性爪真菌症
・爪乾癬
・爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)
・爪異栄養症(つめいえいようしょう)
・外傷による爪の変化
爪水虫の治療
爪水虫と診断されたら、治療薬を選択します。治療薬には「のみ薬」(内服薬)と「ぬり薬」(外用薬)があり、「のみ薬」による治療が原則とされています。爪水虫の状態や患者さんの状況などを考慮して医師が薬を選択します。
種類 | 薬名 | 治療期間 | 完全奏効率 | 備考 |
内服薬 | ネイリン | 3ヶ月 | 約90% | 副作用で肝機能障害が起きることがあるため1か月に一度、肝機能の血液検査を行います。 |
外用薬 | クレナフィン | 1年以上 | 約30% | 有効成分が爪の中や爪の下に浸透して白癬菌を死滅させます。1日1回塗り続けます。 |
長期間の治療が必要
爪水虫が治るには新しい爪に生えかわる必要があります。抗真菌薬の効果が現れると、感染していないきれいな爪が根元から伸びてきます。
爪が生えかわるには足の爪で1年~1年半かかるといわれています。完治するには長期間の治療が必要ですので、根気よくじっくり治療を続けることが大切です。
詳しくは皮膚科にてご相談ください。